歌声のお悩み相談室 #12
よくあるお悩み
「頑張って歌っても、声が細くて軽いんです。迫力が出ないのは、生まれつきの声質なんでしょうか?」
その細さは、生まれつきではなく「声帯の閉じ方」で変えられる可能性があります。
声が細くて迫力が出ない。近くで聞いても線が細い。それは生まれつきの声質だけで決まるわけではありません。声帯の閉じ方が浅いまま歌っている状態の可能性が高いです。まず変えるべきは音量ではなく、声の元になる音そのものです。
01
細さの正体は、声帯の「閉じ方の浅さ」かもしれません。
声の元になる音は、のどの奥にある声帯というひだから生まれます。声帯が閉じてふるえることで音が出ますが、その閉じ方の深さで音の中身が変わります。しっかり閉じると、音の豊かさを作る成分(倍音)がたくさん入り、濃い音になります。閉じ方が浅いと、成分の薄い、細くて軽い音になります。
ささやき声を思い出してください。息の音ばかりで、声はほとんど鳴っていません。あれが「閉じ方が浅い」の極端な形です。細い声は、この閉じ方が浅いまま歌っている状態の可能性が高いです。その状態で音量だけを上げても、薄い音が大きくなるだけです。先に、声の元の音そのものを濃くする必要があります。
声帯の閉じ方が浅いと薄い音、深く閉じると濃い音になります。太さを決めているのは音量ではなく、この閉じ方です。
02
必要なのは、大きな声を出すことより「濃い音を作ること」です。
でも多くの場合、必要なのは、大きな声を出すトレーニングではありません。声帯をほどよく閉じて、濃い音を作るための練習です。方向性は3つです。
- 「ガッガッガッ」のような閉じる動きが出やすい音から始める(「閉鎖サポート」と呼ばれる系統の練習です)。
- 閉じすぎて力むと逆効果。音を聞きながら「ほどよく」の加減を探す。
- 濃い音が出せるようになってから、音量と表現に広げる。
この記事で扱うのは、声の元の音を濃くするところまでです。濃くした音を遠くまで届かせるのは、その次の工程になります。そちらは「声が通らない・こもる」で扱っています。
「ガッガッ」と短く区切ると、閉じる動きが出やすくなります。この体験から声の元を濃くしていきます。
この練習の最大の難所は、「ほどよく閉じる」の加減です。浅すぎれば薄いままで、少し行きすぎると喉を締めつける方向に入りますが、その境目は音量の大小では分からず、「濃くなった」のか「力んだ」のかを自分の耳で区別するのは難しいところです。手応えを早く得ようと力ずくで押し込むと、負担をかけたまま練習を積み上げてしまうため、その加減を見極めて導くのは、SVCボーカルスクールのお仕事です。
NEXT
あなたの声帯の閉じ方を聴かせてください。
いまどれくらい閉じられていて、どこまで濃くできるかは、実際に声を聴くことでわかってきます。体験レッスンでは、トレーナーがあなたの声を分析し、あなたにあった練習メニューをお渡しします。
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この記事を監修した人
小久保よしあき科学的ボイストレーナー・SVCボーカルスクール代表
指導歴は2012年から。総クライアント2,000人以上、レッスン時間は約20,000時間(2026年7月時点)。SVC科学的ボーカルコーチ養成講座で認定コーチ74名(2026年8月時点)を輩出しています。
公開 2026年7月13日(更新 2026年9月8日)