高い音は、気合いとパワーで押し切る。そんな歌い方でここまで来た方へ。その方法には、体の仕組み上「限界の高さ」があります。そして限界から先は、練習量だけでは越えにくい仕組みになっています。
- 張り上げは「地声の筋肉だけで高音を支える」歌い方
- がんばるほど、裏返りや喉の負担が大きくなる理由
- 遠回りに見える「弱い声の練習」が、じつは近道になる
1声の中で起きていること
声の高さを上げるには、本来2つの筋肉のバトンタッチが必要です。低い声を支える筋肉から、高い声を作る筋肉へ。
自転車をイメージしてください。重いギアのまま、急な坂を登り続けているところです。脚力があるうちは登れます。でも、坂がきつくなると必ず止まります。
張り上げは、これと同じです。バトンタッチをせずに、低い声の筋肉だけで高音まで支え続ける歌い方だからです。
しかも声には、「この高さから先はバトンタッチが必要」という目安の地点(換声点)があります。そこを越えて張り上げ続けると、喉への負担やケガのリスクも上がっていきます。
2考えられる原因
張り上げは、ある高さまでは実際に力強く聞こえます。うまくいった経験があるからこそ、やめる理由がなかったというパターンです。
バトンタッチの相手は、高い声を作る筋肉です。その筋肉の使い方に慣れていないと、張り上げる以外の方法が選べません。
バトンタッチの練習中は、一時的に声が弱くなります。その「弱さ」を失敗だと感じて、力で元に戻してしまう方が多いです。
3必要な練習の方向性
張り上げタイプの方に必要なのは、意外な方向です。強くする練習ではなく、「弱く出す」「裏声側を育てる」練習です。
方向性は3つあります。①裏声の練習をむしろ増やして、バトンタッチの相手を育てる。②弱い音量で、換声点をまたぐ経験を積む。③「張り上げないと物足りない」という感覚は一時的なもの、と知っておく。
ここで大事なことがあります。裏返りやすいタイプの人とは、必要な練習が正反対になります。「高い声の悩み」というくくりで同じ練習をすると、逆効果になることがあるのはこのためです。
※声の違和感や痛みが続く場合は、発声練習より先に耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
張り上げの度合いと、バトンタッチの相手がどこまで育っているか。それは、実際の声を聴かないとわかりません。SVCの体験レッスンでは、トレーナーがあなたの声を分析します。そのうえで、いまの状態に合った練習メニューをお渡しします。
LINEで体験レッスンに申し込む申し込みの際に「つい張り上げてしまう」とひとこと添えてください。当日の分析がスムーズになります。